12月23日に開催した、ちょっと変わった忘年会のお話。
12月は忘年会シーズンで、お金がスカイフィッシュのようにパタパタと飛んでいく。
特に、給料日前の24日から始まる最終週は、お財布の紐的に最も厳しい人が多いのではないか。私はそうだった。
しかし、宴会の楽しさには魔の魅力がある。懐が寒くても、なるべく宴会はやりたい。フィーバーナイトは多ければ多いほど良いではないか。
そこで、アイリスオーヤマは考えた。
「低予算の年末調整忘年会を開こう」
参加者から1000円ずつ徴収し、集まった予算の範囲内で料理から飲み物まで全てまかなう超低コスパ企画。愉快な友達を鈴木邸に招いて、わいわい楽しみながら「年末の収支を調整する」。そんな趣向だ。
「地味ハロウィン」から集結した9人
10月に行われた「地味ハロウィン」というイベントで知り合った友達にお誘いの連絡を投げた。
知らない人の為にもちょっとイベントの説明をしておきたい。
地味ハロウィンは、派手で華やかなハロウィンブームに対抗して、「地味な仮装オンリーで地味に楽しむ」というルールを設けたイベントだ。デイリーポータルZさんが主宰で、今年は874人が参加するという驚異の盛況っぷりだった。そこで出会った人たちは皆等しく変人で、イベント後もよしなに交流が続いている。
呼びかけの結果、今回年末調整忘年会に参戦してくれたのは
- 「サンタのかっこうのアルバイト」さん
- 「Photoshop」さん
- 「寒いところから来た人」さん
- 「ドーバー海峡横断部(ウリナリの人気企画)」さん
- 「ナンパテニスサークルの冬」さん
- 「駅前に出没するどこか信用できない果物販売」さん
- 「両親に「お休みなさい」をいいにきた6歳児」さん(佐々木かえでさん)
- 「マラソン大会で途中で面倒くさくなって電車に乗った人」(ねおみのるさん)
- 「皇居ランナー」さん
の9人だ。知らない人が見たら何がなんだかさっぱりわからないかもしれないが、皆さん地味ハロウィンの時はこのコスプレタイトルで参加したのだ。どんな仮装だったか気になる人は、ツイッターなんかで大量に拡散されているから検索して探してみてほしい。ちなみに、鈴木は今年「お客さんが一口も飲まなかった麦茶」で参加した。
さて、本題に戻る。16時くらいに鈴木邸近くのスーパーに集合して、まずは1000円札を集める。
予算は、鈴木も入れてちょうど1万円である。食事に7000円、飲み物おつまみにかけるお金を3000円として、それぞれチームに分かれてショッピングタイムの開始だ。
白菜、豚バラ、豆腐、卵、キャベツ、鶏むね肉、モモ肉、カツオのたたきなど、日ごろお世話になっている節約食材を片端からカゴに叩き込んでいく。皆でわいわい食材を選ぶ時間は、なんだか学生時代に戻ったようで楽しい。
結果、食材に7700円、飲み物おつまみに3300円、計11000円の出費になった。(1000円分オーバーしているが、実は当日1名キャンセルがあった為、セーフということで良かろう)
ちなみに、今回は「既に家にあったモノ(今回の為に出費したものではない品)は持ち込み可」という特別ルールを設けた。皆さん思い思い自宅で持て余していたお酒やお菓子類なんかを持ってきてもらった。真の意味で1000円きっかりのストイックルールでやってもいいかなと思ったが、それくらいは許してほしい。
めくるめく低予算フィーバーナイト
買い物を終えたら、鈴木邸に帰って早速乾杯だ。
以降、楽しい宴会の様子である。
今回の予算で作れた料理は以下の通りである。
- 豚肉と白菜の重ね蒸し(鈴木)
- ケプリのカレー(サンタバイト氏)
- 揚げ焼きから揚げ(Photoshop氏)
- カツオとアボカドのタルタル(鈴木)
- 焼きそば(ねおみのる氏)
- 鶏チャーシュー(鈴木)
- たこさんウィンナー(ねおみのる氏)
- もやしとひき肉あんかけ厚揚げステーキ(鈴木)
- 豆腐のレアチーズケーキ(Photoshop氏)
そう、7700円も出せば、かなりたくさんの料理が作れるのだ。勿論、みんなお腹いっぱいの量で、食材自体もかなり余った。素晴らしい、素晴らしいぞ節約レシピ。
今回、クリスマス直前ということで
プレゼント交換もやった。ワォ、リア充感。
しかし、ここは年末調整忘年会。
プレゼントの予算は一人500円以内で用意してもらった。
一同まるくなって、音楽を流しながらプレゼントを回していき、曲がストップした時に持っていた商品を貰う、という手法でシャッフルした。
皆さん予算内で知恵を絞って選んだ素敵なプレゼントが手元に渡り、幸せな笑顔があふれた。
ハズレだったのは、笑い袋とフィルターを引いた、寒いところから来た人氏だけだった。
イベントの最後は、果物売りさんが持ってきたUSB式のミラーボウル(小渕恵三といい、この人はなぜこんな代物を持っているのか)が取り付けられ、鈴木邸はごきげんなディスコと化した。
以上で、年末調整忘年会のレポートは終了である。
人間って、1000円弱でここまで楽しめるんだ
と素直に感動するレベルで楽しい夜だった。人が内に秘めている本当の豊かさは、案外「足らざる状況」の中でこそ引き出されるのかもしれない。
低予算の忘年会、後生胸を張ってオススメする。
ふ凡社編集部
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