今年もデイリーポータルZさん主催の「地味ハロウィン」に参加してきた。
私は例年頭に何か「地味なモノ」を作っては頭に載せて参加しているのだが、2023年は「玉ねぎが抜けちゃったオニオンリング」になった。
オニオンリングを食べたことがある人なら、誰もが一度は玉ねぎが先に抜けちゃって衣だけが残ってしまうという悲しい経験をしたことがあるだろう。
玉ねぎというやつは繊維質なので、オニオンリングをかじる時は上下の歯をしっかりと噛み合わせて「えいや」と噛み切る必要がある。ここで思い切りが悪いと、玉ねぎが歯にひっかかってスルスルとキャストオフしてしまうわけだ。
私はこの状態になってしまったオニオンリングのことを「オニオフリング」と呼んで親しんでいるのだが、本記事でも以下オニオフリングと表記する。
今回オニオフリングを、紙粘土で作った。まずは完成した姿を見ていただきたい。
いかかだろう。我ながら、かなりオニオフリングに近い再現度ではないか。しかし、ここに至るまでは試行錯誤の連続で、まぁ大変だった。
制作記をここに記すので、紙粘土でオニオフリングを作ってみたいと考えている人は参考にしてほしい。
ちゃんと「玉ねぎが抜ちゃった感」を再現したい
オニオフリングを作るにあたって、必ず抑えたかったポイントは「玉ねぎが抜けちゃった感」をしっかり再現することだ。
例えば、紙粘土を丸い輪っかの形に固めて、その一部を切り取り、切り口の入り口付近だけを粘土ナイフなんかを使って玉ねぎの断面の形にくり抜くだけでも、ビジュアル的にはそれらしいものを作ることができるだろう。しかし、衣の内部がぐるっと一周ちゃんと抜けていないオニオフリングなんて、見る者を欺くばかりのまやかしである。紙粘土で再現するにあたっては「逃げ」だと判断した。
ということで、紙粘土で、ちゃんと中身が玉ねぎの形に抜けたオニオフリングを再現するためにはどうすれば良いかを考えていく。
まずは実物の観察から。
オニオンリングはお店によって衣の色や厚さ、パン粉のあるなしなど、変化に富んだビジュアルをしている。私は衣がカリッカリのやつが好きなので、今回は濃いきつね色のものを再現することにした。これを食べられる場所は吉祥寺の「ヴィレッジヴァンガードダイナー」である。
そのまま美味しく食べてしまいたい気持ちを堪え、意図的にオニオフリングを作って観察する。
少しかじって引っ張ると、しっかり火が通った甘い玉ねぎが出てきた。透き通った色を想像していたが、実物はかなり濃いめの乳白色だった。ふだん意識してオニオンリングの玉ねぎをじっくり観察する機会なんてないから、イメージと実物との間に乖離ポイントがあるのだ。
今回の要となる、玉ねぎをオフしたあとの空洞もしっかり観察する。衣部分は思ったより薄く、玉ねぎが抜けた後はひし形に近い空洞になっている。「なるほど四角形になっているのかぁ!!!」とここでもまた気づきがあった。
実物の確認が済んだところで、オニオンリングを全て美味しくいただいた。ヴィレヴァンダイナーはオニオンリングはもちろん、ハンバーガーもマジで美味しいので気になる人は行かれたし。
さぁ、家に帰って制作開始だ!!!
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