―ふ凡大陸vol.2―「何をやってるか良く分らないエンターテイナー」ねおみのる

突然だが、3枚の画像をご覧頂きたい。

 

 

 

素朴なイラスト、革製品、海外のなんか凄そうな山。一見なんの関わりもない3種だが、

この3枚、全てある一人の男性のライフワークなのだ

 

その人の名は、ねおみのる。ブログ、エッセー漫画、レザークラフト、登山、街歩き等々、ありとあらゆる世界に飛び込んでは、書いて発信している。発信の主な拠点は「私立ねお学園」というブログで、記事一覧を見ただけでその興味関心の広さが分かる。

 

ブログやツイッターで活動を拝見するたび、ねお氏が持つ広すぎる世界への尽きない興味と共に、ある問いが頭に浮かぶ。

 

結局この人は、何者になるのだろう?

 

日常のそこかしこに潜む「ふ凡人」たちにその生きざまを聞くシリーズ「ふ凡大陸」。第2回は、ねお氏のアクティブで謎に包まれた人物像に迫る。

 

30代後半から広がり始めたネオ・ワールド

 

12月某日、年の瀬で賑わう東京上野駅で待ち合わせた。ねお氏とは、あるイベントにて一緒して以来。しかもその際は顔を合わせた程度だったので、今回がほぼ初対面だ。

 

ね「どうも、ねおです」

 

上野駅に現れたねお氏。(※道行く人がぼやけているのは、ねお氏の神通力によるものではない。逆行補正をミスったのだ。)以下、本文とは別に、ねお氏との愉快な上野散歩の様子をお楽しみ頂きたい。

 

静かで、素朴な人だと思った。ねお氏が生み出すコンテンツは、どれも派手ではないけれど、自分が興味をもったものについて、愛をもって淡々と掘り下げるものが多い。文章のそこかしこから滲む「静かな温かさ」がとても素敵なのだが、実際のねお氏もそんな感じだった。

鈴「ねおさん、本日はよろしくお願いします」

 

ね「はい、公園をぶらぶらしながら、ぼちぼちお話ししていきましょう」

 

鈴「では早速参りますね。まず、ねおさんが持ってる“要素”を教えてもらえますか」

 

ね「まず、個人のブログでは、エッセー漫画と日々のこと登山の様子などを発信しています。あと、自分で面白企画をやってみたり。特にジャンルを絞ってないのでなんでも書いてますね。あと、あんまりブログには書いてないけどB級スポットや寺社仏閣探訪もライフワークです」

 

鈴「既に盛りだくさんですね」

ね「えぇ。あと、リノスタというメディアでレザークラフトの制作記事を書いています。他には自分で書いた面白企画をデイリーポータルZさんの読者投稿コーナーに送ってみたり」

 

レザークラフトを作るねお氏。どこからどう見ても本職の職人である。(出典:RENOSTA

 

鈴「本当に手広くやってますねぇ!そもそもねおさんが発信を始めたきっかけって何だったんですか?」

 

ね「始まりはFacebookでしたね。文章をちょっと笑えるように意識して書いてたら、友達から反応がもらえるのがだんだん嬉しくなって。そこから本格的に発信したくなって、仕事でもWeb周りの担当をやっていることもあり、学習がてらブログを始めたんです」

 

鈴「ねおさんが扱うコンテンツって、ジャンルが多岐に渡りますけど、最初から興味関心が広かったんですか?」

 

ね「それがそうでもなくて。めっちゃ暇だったのがきっかけかも

 

鈴「詳しく聞かせてください!!!」

 

ね「私、20代の割と早い時に結婚して、30代に入る前に離婚してるんですね。離婚した時はとにかく落ち込みまして、『僕はこれから先、人生を楽しむ資格なんてないんだ』とふさぎこんでた期間が何年もありました」

 

鈴「心中お察しします・・・」

 

ね「まあ、それは私が勝手にそう思い込んでただけなんですけどね。その間、救いを求めて色んな本を読み漁ったんですね。その中で、『人生やりたいことを100個書き出そう』的なことが書かれてるのを読んで」

 

鈴「自己啓発系の本でおなじみのタスクですね」

 

ね「それです笑。でも実際にやってみたらこれが意外と良くて。『どうせなら、これからやりたいこと全部やろう』って思えてから、回復しました

 

動物園なのに動物がいない檻の前に立つねおさんを撮りたいんですよ」という謎リクエストに快く応じてくれるねお氏。守りたいこの笑顔。

逆転した青春

一度どん底に落ちたねお氏。そこから立ち上がっただけで十分凄いが、世界の広げ方も凄い

キリマンジャロ山頂にて

 

鈴「例えば、ブログに登山記事ありますよね。あれ、海外まで行って、キリマンジャロとか登っててすげぇなと思うんですが、登山も離婚してから始めたんですか?」

 

ね「そうなんです。登山は45年前くらいからですね。やりたいこと100の中に、『雲海を見る』ってのがあって、なら登山だなと。手始めに近くて低い山から上り始めてみたんですね。そしたら山登りの沼にずぶずぶと笑」

 

鈴「そこから海外に行くレベルまで進むって凄いですね」

 

ね「えぇ。それで日本の山で、メジャーな山をある程度登って。で、次の段階としては、雪山とかクライミングとかしたいな、でも、装備を整えたりするのも大変なレベルに入るな、と思った時に、ちょっと待てよ、と

 

鈴「?」

 

ね「海外って雪山とかクライミングの経験なくても登れる山があるんじゃね?と思ったのです」

 

鈴「横軸に広げちゃいましたか!!!!」

 

ね「しかもね、僕、一人でまともに海外に行ったことなかったんですよ。行ったことはあるんですが基本的に誰かが全部お膳立てしてくれるパターンしかなくて。英語も全く出来ないし、チケットの取り方すらわからない状態」

 

鈴「それで良く横軸に広げようと思いましたね(爆)。一緒に上る先輩がいたとか?」

 

ね「いや、山はほとんど一人で登ってます

 

鈴「マジですか!?」

 

そう、一度負のカルマから解き放たれたねお氏は、一人で名実ともに世界を広げまくっているのだ。そのふ凡なエナジーは一体どこからくるのだろうか。

特設展示「ミヲマモル」とネオミノル氏。

 

 

鈴「なんで、ねおさんは一人で“変なこと”をやり続けているんですか」

 

ね「もともと『変なことやもの』のが好きでやりたいなあと思ってたんですけど、結婚してからの20代は、仕事も家庭もなんだかんだあるのでなかなかね……。これは色んな人に言ってるんですけど、『普通の人の20代と30代が入れ替わっちゃってる』感覚なんです。今が青春ですね笑

 

 

鈴「なるほどそういうことですか!納得です。なんか、ねおさんの半生だけで映画作れそうですね

 

ね「笑」

 

さらに広がりゆくネオ・ワールド

 

アラサー男子とアラフォー男子、二人の静かなる上野めぐりは続く。ひとしきりねお氏の過去を聞いたところで、ふ凡大陸お馴染み、「非凡への次の一手をどうするか?」を一緒に考えるパートに突入する。

「どうせなら男二人でアヒルボートにも乗りましょう!」と意気揚々と動物園を出たものの、既に営業終了していて悔しがるねお氏。

 

鈴「色んな話を聞きましたが、ねおさん自身を一言で言うと、何者ですか?

 

ね「『結局、何をやってるかよく分らない人』になっちゃってますね笑」

 

鈴「言ってしまいましたね笑。では角度を変えて、ねおさんの人生の到達点といいますか、描いてるゴールってあるんですか?」

 

ね「ちっちゃいエンターテイナーになりたいんですよね。なんというか、大それた感じの意味じゃなくて。有名になるというよりかは、自分が作ったものが、もし、少しでも誰かに影響を及ぼせればそれだけでオッケーですね。そこは文章でもイラストでも漫画でもなんでもよくて。例えばブログ読んでくれて誰か1人でもクスッとしてくれたらそれだけでもう全部オッケー。意味がある」

 

鈴「にゃるほど!なにか明確な到達点があるわけじゃないんですね」

 

ね「そうなんです。でも、もちろん自分の中でも、武器となる肩書は欲しいなと思っています

 

鈴「いろいろやりたいけど、足掛かりとなる実績は欲しい、って気持ち、凄く分ります笑。ねおさんの中で、これから特に力を入れて行こうって分野は決まってるんですか?」

 

ね「ブログの原点でもある、エッセー漫画をもっとやりたいですね。あわよくばエッセー漫画家としての肩書が欲しい。来年はそこに注力しようと思います」

 

ねお氏のエッセー漫画は、日常に潜む素朴な題材を、素朴な角度で、素朴に切り取った素朴なテイストがじわりとコアなファンを集めている。鈴木も、ねお氏の味が染みる漫画が大好きだ。

 

鈴「ねおさんのエッセー、書籍化で欲しいです!これは楽しみですね」

 

ね「ええ、ただ現時点でレベルが低すぎるのと、行動が伴ってないのを自覚してるので、まずは描くことが生活の一部になるような仕組みを整える必要がありそうです。しのご言わず描きまくらないと」

インタビューっぽくしゃべってる感のある写真を撮らせてください」の要望に快く応じてくれるねお氏。守りたいこの角度。

 

鈴「仕組みづくりは本当に大事ですよね。冷静に戦略を立てているところ、流石です。これから新しくやってみたいことってありますか?

 

ね「鈴木さんって、脚本書いてますよね」

 

鈴「はい」

 

ね「実は私も前、なぜか三ヶ月だけ脚本スクールに通ったことがあって。演技系にも少し興味が…」

 

鈴「そうなんですか!!!では、新しく舞台作りますんで、ねおさん出演してください!はい決まり!今決まった!!」

 

ね「・・・・・・・やりましょう笑」

 

 

二つ返事で、「ふ凡ネットワーク」記念すべき最初のコラボレーションが決まった。ねお氏は、演技の世界にも足を踏み入れるぞ!やったね!!

 

こうして、我々はまた新たな「ふ凡の階段」を登った。「ねお氏がこのペースで世界を広げ続ければ、最終的に世界がねお氏になるのではないか」。そんな哲学的なことを考えながら、大量の天ぷらを平らげた。

ねお氏が紹介してくれた居酒屋「地魚屋台 浜ちゃん」は、安くてデカい天ぷらが山のように出てくる素敵な店だった。

(ふ凡社編集部 鈴木)

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