ついに、衣の完成へ
衣パーツの素組みが完了したところで、続いて切れ目を埋める作業に入る。
無事変形することなく接着はできたが、分割線は完全にはふさがっておらず、隙間が空いている。
切れ目に沿って木工用ボンドをつけ、切れ目の間に、細い棒状に伸ばした紙粘土を乗せ、指でならしながら隙間を埋めていく。
これまた「こうすれば多分いけるんじゃないか」くらいの勘で作業していたのでやや不安だったが、指に水をつけながら伸ばしてみたところ、ボンドと紙粘土が良い具合にしっとり混ざり、ほぼ切れ目が分からないくらいしっかり隙間を埋めることができた。
これにて、無事メインとなる「衣」の原型づくりは終了。
色塗りはあっさり完了
色塗りの工程は実にあっさり終わった。
2色買ったうち、より色が薄いほうの「トランスペアレントイエローアイアンオキサイト」を全体にぬってみたところ、滑らかな部分はほんのり薄い衣色になり、デコボコした窪みには絵の具がたまって濃い色になった。
この一色だけで「こんがり揚がった衣の色の濃淡」がある程度バッチリ再現できてしまったのだ。やはり、君こそが「オニオンリングの衣色」だ。
その後、乾燥させた衣の上に、より色の濃い「ローシェナー」を差し色として塗ったところで、衣の色塗りは完璧。我ながら、大変美味しそうな「オニオフリング」が完成した。
「抜けちゃった玉ねぎ」も作る
今回、仮装のサブパーツとして「オニオフリングから抜けちゃった玉ねぎ」も作ろうと考えていた。
火が通って乳白色に近くなった玉ねぎをいかに再現するかを考えるにあたり、
1、半透明ビニール袋を細長く切って重ねて再現する
2、透明粘土を使う
3、紙粘土を使う
と3案を考えた。ビニール袋は、細長く切ったものをただ重ねるだけでは玉ねぎっぽく見えずに断念。
透明粘土は、今回初めてその存在を知ったのだが、文字通り乾くと透明になる粘土だ。
こちら、ネットで調べる限り仕上がりの半透明感もバッチリで、乾燥したらゴムのようなしなりがあるということだったので、抜けちゃった玉ねぎを再現するにはベストアンサーかと思われた。
しかし、いざ透明粘土で玉ねぎを作ってみたが、2日経っても一向に乾燥する気配もなく、さらに表面がガビガビにひび割れてしまった。
詳しく調べたところ、「透明粘土は乾燥に数週間から1か月くらいかかる」上に、細心の注意を払って乾燥させないと表面がひび割れてしまうという情報を得て、あえなく断念。
結局、半透明感の再現は諦め、玉ねぎ部分も紙粘土で作ることにした。時には妥協も必要である。
玉ねぎの原型づくりはいたってシンプル。紙粘土を短冊状に伸ばし、すこしひねりを加えた状態で固定して、乾燥させればOK。
問題は色塗りだ。抜けちゃった玉ねぎの実物をよく観察すると、完全に白の半透明というわけではなく、白色の中にもほんのり緑色がかっているように見える。玉ねぎの筋の色も、やや緑がかっている。
しかし、白の絵具と緑の絵具の調合でこの「微妙な緑がかり具合」を再現できそうにない。
そんな時はそう、世界堂だ。
私は今一度世界堂に赴き、玉ねぎっぽいベースカラーの「アイボリーホワイト」と、玉ねぎの筋っぽい「ミスティ グリーン」という絵具をゲット。
まず型全体にベースカラーとなるアイボリホワイトを塗る。次に、ミスティグリーンに少量のアイボリホワイトを加えて「玉ねぎの筋の色」を作り、筋の線を描きいれる。
最後に、アイボリホワイトにほんの少しミスティグリーンを加えた差し色を全体にさっと塗れば、色塗りは終了。
仕上げとして、半透明の光沢感を出すために全体をニスでコーティングすれば「抜けちゃった玉ねぎ」の完成だ。
仕上げはオニオフリングを頭に乗っけられる機構を作る作業。
自転車用ヘルメットの頭頂部に、100均で買った木製コースターをゴム紐で縛り付けて固定。コースターに万能接着剤を塗りたくり、中央部分に来るようにオニオフリングを接着して1日乾燥させれば…
あっという間に「玉ねぎが抜けちゃったオニオンリング」の仮装がで~きあ~がりぃぃぃぃぃ!!!!!
いやぁ、今年も今年とて試行錯誤の連続で、大変楽しかった。
年々地味に工作のスキルが上がってきている気がするのだが、この技術をなんかもっとこう生産的な何かに還元する機会がないだろうか、とちょっと思っている。でもきっとないだろう。その点も含めて地味で良いのだ。
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