最強のフェイスシールド飲み会

ふ凡社鈴木です。

新型コロナの影響により、あらゆる場所で「ソーシャルディスタンスの確保」が叫ばれている。そんな中、対策アイテムとして、フェイスシールドが注目されている。

 

先日ニュースで、「フェイスシールドをつけて呑む居酒屋」が紹介されていた。会社員風の人たちが、無骨なフェイスシールド姿で酒席を共にしている様子は、はた目にとってもシュール。これを見て思った。

 

オリジナルフェイスシールドを持ち寄って飲み会をやったら、もっと愉快なんじゃないか

 

ソーシャルディスタンスを保ちながら、それぞれが考えた「最強のフェイスシールド」を披露する飲み会をやるのだ。早速知人に呼びかけたところ、5人の有志が集まり、晴れて実現した。奇妙な宴の様子をお伝えする。

 

 

ルールはいたってシンプル

 

オリジナルフェイスシールド作りのルールは、以下の通りだ。

  • 自分が「最強」だと思うフェイスシールドをプロデュースする
  • しっかり顔をガードする(フェイスシールドとしての機能を満たす)ものを作る

 

参加者にはこの2点だけ伝え、それ以外は自由に作ってもらった。果たしてどんなフェイスシールドが飛び出すのか。

 

鈴木は、竹笠をベースにプロデュースすることにした。

 

 

めくるめくオリジナルフェイスシールド博覧会

 

イベント当日は、十分に広いレンタルスペースを借りて、ソーシャルディスタンスの確保を徹底。

 

宴の第一部は、ファッションショー形式で、それぞれが用意してきたフェイスシールドを披露。自身の最強ポイントをプレゼンしたあと、参加者からのツッコミ及び質疑応答タイムに入る。参加者各々が意匠をこらした、渾身のフェイスシールドたちを、とくとご覧あれ。

 

 

エントリーNo.1「ヴェネチア幻想曲」

 

トップバッターはみきぽ。じゃん。

 

 

 

仮面舞踏会用のマスクと、あでやかなレースとを組み合わせたゴージャスなフェイスシールドである。

 

みきぽ氏の最強ポイント

 ・マスクとレースは、本場イタリアヴェネチアで購入

 ・目の部分には透明のフィルターを入れている。なぜならコロナは目から伝染るから

 ・実家からマスクとレースを送ってもらうとき、母から「よからぬ会に参加するのではないか」と心配された

 

 

既製品をそのまま使っているかと思いきや、しっかりフェイスシールド用に改造されているのがニクい。細かなこだわりに、会場が湧いた。ちなみに、マスクがゴージャスだから、服装はあえて地味にしたとのこと。バランスのとり方が謎である。

 

本来あいている目も、フィルムでガード

 

【参加者のコメント】

 「出だしからゴージャスなのが良い」

 「正しい素材を正しい方向性で正しく使っている」

 「仮面舞踏会用のマスクって、被ると本当に誰か分からなくなるもんだね」

 

 

 

エントリーNo.2 「未来のロボット」

 

2人目は、抹茶味のじうがわ氏。じゃん。

 

 

2人目にして、人ならざる者が登場。オリジナルキャラクターのようだが、いったい何者なのか。

 

 

抹茶味のじうがわ氏の最強ポイント

・2300年、近未来に作られるロボット

・ロボットが普通にある時代なので、家事のお手伝いとかやる

・頭頂部のひまわりは平和の象徴。作ってくれた博士から『花は平和な時代にしか咲かないからね』と言われてつけた

 

 

可愛い。まずコンセプトが可愛い。キャラクターとしての作りこみもさることながら、フェイスシールドの機能もしっかり考えて設計されている。目の部分は黒のメッシュ素材をあてがって、視界を確保。飲み会ということで、ちゃんと飲食できるように頭とマスクの間に余裕を持たせている点もグッド。

虫も殺さない優しさを感じる

 

ちなみに、生みの親の博士はご存命らしい。

 

【参加者のコメント】

「被り物としての仕事が丁寧」

「あごからドリンクを飲んでる姿が可愛い」

「博士を安易に死なせていないところがよい」

 

 

エントリーNo.3「全男子の憧れヘルメット」

 

エントリーNo.3は、さむ氏。じゃん。

 

世紀末を舞台にした漫画に出てきそうなのが登場。感染症よりも、物理攻撃からフェイスをシールドしている感があるが・・・。

 

 

さむ氏の最強ポイント

グレートヘルムという、13世紀あたりにヨーロッパで作られていた甲冑

・初期はバケツ型の鉄を被るだけだったが、後に改良されて前が開くデザインのものができた

・このフェイスシールドも、前方を開けられるように作ってある

・「男子が喜びそうな最強」を追求したらこれになった

 

 

まずプロダクトとしての完成度がやたら高い。顔のフィット具合や、細かなヘリの処理にいたるまで、大変丁寧な仕事で作られている。さらに前方が開閉式になっていることが明かされた時は、参加者から歓声があがった。さむ氏はこれを一晩で作ったらしく、技術力の高さも高評価だった。

開閉式で飲食も行軍もばっちり

【参加者のコメント】

「確かに、全男子が好きそうなデザインだ」

「体格と相まって、バイオハザードの中ボス感がある」

「鉄球を使った遠距離攻撃がすごい面倒なやつね」

 

 

エントリーNo.4「菜々子さんのダンスパーティー」

エントリーNo.4は米田梅子氏。

 

 

どこからどうつっこんでいいか分からないが、とりあえず何者かに体を乗っ取られてる感がある。事情を聞いてみよう。

 

 

米田梅子氏の最強ポイント

・”ダンスパーティー専用”フェイスシールド

・市販のフェイスシールドは無骨だから、パーティー用のエレガントなものを作った

上の人形の名は菜々子さん

・女の子のスカートにもぐってみたい、という願望をかなえた

 

TPOをわきまえたフェイスシールドという新ジャンルを開拓。菜々子さんのスカート部分は、100均のプラスチックフィルムで作られており、一般的なフェイスシールドをベースにデザインされているようだ。短冊状のレースをぱらりとめくると、顔を出せるように工夫してあるのも素敵だ。

スカートをめくれば、不敵な笑みを浮かべる女が顔を出す

【参加者のコメント】

「人形と本体、どっちに話かければいいのかわからない」

「60頭身くらいある人形」

「スカートに入るという発想が良い」

まず下の体を弱らせてからじゃないと本体にダメージが通らない敵

 

エントリーNo.5 「ママ友会にお呼ばれした中目黒のタワマン主婦」

 

5人目は、身委ねた氏。じゃん。

 

人だ!ちゃんとした人が出てきたぞ!捕まえろ!!!!

 

 

身委ねた氏の最強ポイント

・中目黒のタワマンに住んでる主婦をイメージ

・今日は幼稚園のママ友会にお呼ばれした

・シールド部分はマジックテープで着脱可能。普通のキャップとしても使える

・自分にとっての最強とは、ていねいな暮らしになじむ実用性

 

 

中目黒のタワマンに住む主婦を見たことがないが、「確かにいそう」と感じる謎の説得力がある。奇妙なビジュアルのフェイスシールドが続く中、普通の人、というだけでしっかり個性が際立っているから面白い。

 

着脱可能なフェイスシールドというアイデアは秀逸で、実用性の高さにみんなで感心した。ちなみに、キャップの「Distance」は自分で書いたらしい。細かなところで器用な主婦である。

シールド部分を外せば、普通のキャップとして使える。サスティナブル

見出し【参加者のコメント】

「ビジュアルは普通でも、しっかり個性が出ているのが良い」

「着脱可能なの、普通にアイデアとしてよくないか」

「ただ、ママ友会に“感謝”って書かれたカレー持ってくる人いたら、若干身構えると思う」

 

 

エントリーNo.5 「サイケデリック・ペスト医師」

ラストはふ凡社鈴木。どん。

 

主に笠部分を作るのに、すげー時間がかかった(10時間くらい)。渾身のこだわりを聞いてほしい。

 

ふ凡社鈴木の最強ポイント

・竹笠を改造したフェイスシールド×ペストマスクの2段ガード

・ビジュアルの毒々しさで、物理のみならず精神的なディスタンスを確保

・お札をつけたのは、そのほうがなんかカッコいいから

・「小学生が図工の時間で作った最強」を意識。設定や文化に統一性がないのがポイント

 

フェイスシールドの元祖ともいえるペストマスクと、和の竹笠を組み合わせた異文化ミックスフェイスシールド。笠単体ではフェイスシールドとして機能しないので、細い木の棒で骨を延長し、その上に色付き下敷きを使ったシールドを取り付けた

 

ちなみに、ペストマスクの先端にはハーブ各種が入った袋を入れており、元ネタに施されていたというおまじないを再現している。

 

飲食はあご下の穴から。ポッキーが主食。

 

見出し【参加者のコメント】

「引き算をしない小学生だ」

「古今東西詰め合わせの妖怪じゃねぇか」

「夜道であったら子ども泣くと思う」

「光当たるとステンドグラスみたいになるのがキレイ」

 

 

宴の時間

 

ファッションショーが終了したら、楽しいパーティーの始まりだ。おつまみ、飲み物が乗ったテーブルを中心として、円形に椅子を配置。

秘密結社の会合っぽい

 

 

飲食物を取りに行くのは、原則一人ずつだ。奇妙なフェイスシールドたちの視線を浴びながらおつまみを粛々と皿に盛るのが楽しい。

 

一通り飲み食いを楽しんだら、それぞれのマスクの構造を見せ合ったり、写真を撮ったりしながら、久しぶりの再会を喜んだ。

 

 

 

 

 

 

 

最後は、ベストフェイスシールドの投票会。目をつぶって「自分が一番好きだったシールドに手をあげる」という古典的な選挙を行った。

 

栄えあるトップは、グレートヘルムを作ってきたさむ氏に。

 

さむ氏にはアマゾンギフト券を進呈。腕のリーチをフルに使った授賞式を行った。

 

 

 

参加者全員が、てんでバラバラのコンセプト・デザイン・こだわりのフェイスシールドを持ってきてくれたことに感動した。「最強の」という言葉をつけただけで、フェイスシールドの可能性は無限に広がるのだ。

 

制限のある日常を、不要不急の工夫で楽しく彩る。そんな心持ちで、引き続きテンション高く生きていきたい。

 

(ふ凡社最強のフェイスシールド飲み会実行委員会)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です