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  • 【告知】「ベップ・アート・マンス2020」出演のお知らせ

    【告知】「ベップ・アート・マンス2020」出演のお知らせ

    ふ凡社鈴木でございます。

    突然だが、イベントの告知をする。

    2021年1月16日、大分県別府で開催される「ベップ・アート・マンス2020」にて、

    大分弁と楽しむオペラ『愛の妙薬』

    という演目に出演することになった。

     

    ・ソプラノ歌手の小村朋代さん
    ・歌手の大田翔さん・田中俊太郎さんによる声楽ユニット「SiriuS(シリウス)」
    ・ピアニストの古賀美代子さん

    と共演する。

    本業Web編集者が、プロの音楽家と同じステージに立つ。なぜこんなことになったのか、私自身もよく分かっていないが、記念すべきふ凡社初のコラボ企画である。

    ノリとフィーリングで走り出した僕ら

    始まりは、友人であり、このブログの企画にも何回か参加してくれている大田氏からの連絡だった。

    「ソプラノ歌手の小村朋代さんが、このイベントで『 ふ凡社鈴木となにか一緒に出来ないか?』って言ってるんだけど、どう?」

    一緒に送られてきたチラシには、「ベップ・アート・マンス2020」とあった。

     

    ベップ・アート・マンスは、大分県別府市で毎年行われているアートイベント。期間中、さまざまなジャンルのアーティストが、別府市の施設を使って展示やパフォーマンスを行う企画らしい。

    聞けば、小村さんは大田氏と大学時代からの付き合いで、大田氏づてにこのブログを読んでくれていたのだという。小村さんもふ凡社鈴木も大分出身ということで、今回声をかけてくれたのだ。

    鈴木「つまり…コラボの打診ということ?」

    大田「そうw」

    鈴木「嘘でしょwwwwやるやるwwww」

    まさか、この「人里離れた山奥にひっそり佇む庵」みたいな当ブログに、コラボが舞い込む日がこようとは。ノリとフィーリングの二つ返事で企画がスタートした。

    大分弁とオペラを融合するぜ!!!

    後日、小村さん、大田氏、ふ凡社鈴木の3人で「具体的に何をやるか」の会議を開いた。

    大田氏もスケジュールが合えば参加してくれるとのことで、『プロの歌手2人が出るなら、やっぱり歌うパフォーマンスがよいのでは』という話になるのは自然な流れ。

    いくつか案が出る中、大分県のアートシーンを盛り上げ、地元に恩返しをするという意味も込め「大分弁とオペラを融合する企画をやる」と決まった。

    選んだ演目は、イタリアの巨匠ガエターノ・ドニゼッティによる傑作「愛の妙薬」だ。

    「愛の妙薬」はイタリアっ子純情ラブコメディ

    「愛の妙薬の」あらすじをカンタンに紹介しよう。

    主人公は、「純情」だけが取り柄のさえない男・ネモリーノ。彼は高嶺の花のお嬢様・アディーナにぞっこんだが、全く相手にしてもらえない。

    ある日、ネモリーノは街の外からやってきた”怪しげな薬売り”から、飲めばモテモテになる「愛の妙薬」を購入する。

    もちろん、妙薬はニセ薬なのだが、その薬を飲んだネモリーノの身の回りにどんなことが起きるか…

    こんなストーリーとなっている。今で言うところの、純情ラブコメディという感じだろうか。この話をベースに、大分弁の語りをハイブリットした作品を作るのだ。

    大田「僕がネモリーノ、アディーナは小村さんがやるとして。鈴木くんは、怪しげな薬売りをやってくれる?」

    鈴木「楽しそう!やるやる!!」

    私は、大分弁の脚本作成をメインで担当する心づもりでいたが、語り役として、怪しげな薬売りのキャストもおおせつかった。舞台の経験は多くないが、「歌わなくてもダイジョウブなら、なんとかなるだろう」と思ったのだ。

    それってひょっとして

    しかし、続いて大田氏が発した言葉で、事態が大きく変わる。

    大田「あっでも、ネモリーノの恋敵・ベルコーレ役も必要だから、田中俊太郎さんにも声掛けてみよう」

    小村「そうだね」

    鈴木「えっ、SiriuSとして出演するってこと?」

    大田「そうなるね」

    大田氏は、バリトン歌手の田中俊太郎氏とともに、声楽ユニット「SiriuS」のメンバーとして活動している。

    SiriuSは、日本コロムビアの所属。日本コロムビアと言えば、朝ドラ「エール」のモチーフとしても注目されている、大手も大手のレコード会社だ。SiriuSとして出演を打診する場合、当然事務所を通す必要がある。

    鈴木「もしSiriuSのお2人が出るとして」

    大田・小村「うん」

    鈴木「プロのソプラノ歌手、テノール歌手、バリトン歌手、ピアニストが揃うわけですよね」

    大田・小村「うん」

    鈴木「ふ凡社鈴木、いらなくないですか?」

    大田・小村「wwwそんなことないよwwww」

    そんなこんなを経て、無事日本コロムビアさんからのGOサインもいただき、超豪華な企画になることに相成った。本当に、人生何が起きるか分からないものだ。

    しかし。現状、ふ凡社鈴木と共演者の皆さんとの間には、マリアナ海溝よりも深い経験値の差がある。

    皆さんの足をくれぐれも引っ張らぬよう、私は今から1月の本番まで2か月間、「怪しげな薬売り」として生きることを誓った。

    イベント概要

    今回は、ひとまず告知まで。概要は以下の通り。

    大分弁と楽しむオペラ『愛の妙薬』(「ベップ・アート・マンス2020」登録プログラム)

    日時:2021年1月16日(土)

    場所:別府ブルーバード会館 3階フレックスホール (大分県別府市北浜1丁目2-12)

    時間:13:30開場、14:00開演

    チケット:一般・2000円、学生・1000円

    予約:tickets.tomoyokomura@gmail.com

    (ふ凡社オペラ部)

  • 最強のフェイスシールド飲み会

    最強のフェイスシールド飲み会

    ふ凡社鈴木です。

    新型コロナの影響により、あらゆる場所で「ソーシャルディスタンスの確保」が叫ばれている。そんな中、対策アイテムとして、フェイスシールドが注目されている。

     

    先日ニュースで、「フェイスシールドをつけて呑む居酒屋」が紹介されていた。会社員風の人たちが、無骨なフェイスシールド姿で酒席を共にしている様子は、はた目にとってもシュール。これを見て思った。

     

    「オリジナルフェイスシールドを持ち寄って飲み会をやったら、もっと愉快なんじゃないか」

     

    ソーシャルディスタンスを保ちながら、それぞれが考えた「最強のフェイスシールド」を披露する飲み会をやるのだ。早速知人に呼びかけたところ、5人の有志が集まり、晴れて実現した。奇妙な宴の様子をお伝えする。

     

     

    ルールはいたってシンプル

     

    オリジナルフェイスシールド作りのルールは、以下の通りだ。

    • 自分が「最強」だと思うフェイスシールドをプロデュースする
    • しっかり顔をガードする(フェイスシールドとしての機能を満たす)ものを作る

     

    参加者にはこの2点だけ伝え、それ以外は自由に作ってもらった。果たしてどんなフェイスシールドが飛び出すのか。

     

    鈴木は、竹笠をベースにプロデュースすることにした。

     

     

    めくるめくオリジナルフェイスシールド博覧会

     

    イベント当日は、十分に広いレンタルスペースを借りて、ソーシャルディスタンスの確保を徹底。

     

    宴の第一部は、ファッションショー形式で、それぞれが用意してきたフェイスシールドを披露。自身の最強ポイントをプレゼンしたあと、参加者からのツッコミ及び質疑応答タイムに入る。参加者各々が意匠をこらした、渾身のフェイスシールドたちを、とくとご覧あれ。

     

     

    エントリーNo.1「ヴェネチア幻想曲」

     

    トップバッターはみきぽ氏。じゃん。

     

     

     

    仮面舞踏会用のマスクと、あでやかなレースとを組み合わせたゴージャスなフェイスシールドである。

     

    みきぽ氏の最強ポイント

     ・マスクとレースは、本場イタリアヴェネチアで購入

     ・目の部分には透明のフィルターを入れている。なぜならコロナは目から伝染るから

     ・実家からマスクとレースを送ってもらうとき、母から「よからぬ会に参加するのではないか」と心配された

     

     

    既製品をそのまま使っているかと思いきや、しっかりフェイスシールド用に改造されているのがニクい。細かなこだわりに、会場が湧いた。ちなみに、マスクがゴージャスだから、服装はあえて地味にしたとのこと。バランスのとり方が謎である。

     

    本来あいている目も、フィルムでガード

     

    【参加者のコメント】

     「出だしからゴージャスなのが良い」

     「正しい素材を正しい方向性で正しく使っている」

     「仮面舞踏会用のマスクって、被ると本当に誰か分からなくなるもんだね」

     

     

     

    エントリーNo.2 「未来のロボット」

     

    2人目は、抹茶味のじうがわ氏。じゃん。

     

     

    2人目にして、人ならざる者が登場。オリジナルキャラクターのようだが、いったい何者なのか。

     

     

    抹茶味のじうがわ氏の最強ポイント

    ・2300年、近未来に作られるロボット

    ・ロボットが普通にある時代なので、家事のお手伝いとかやる

    ・頭頂部のひまわりは平和の象徴。作ってくれた博士から『花は平和な時代にしか咲かないからね』と言われてつけた

     

     

    可愛い。まずコンセプトが可愛い。キャラクターとしての作りこみもさることながら、フェイスシールドの機能もしっかり考えて設計されている。目の部分は黒のメッシュ素材をあてがって、視界を確保。飲み会ということで、ちゃんと飲食できるように頭とマスクの間に余裕を持たせている点もグッド。

    虫も殺さない優しさを感じる

     

    ちなみに、生みの親の博士はご存命らしい。

     

    【参加者のコメント】

    「被り物としての仕事が丁寧」

    「あごからドリンクを飲んでる姿が可愛い」

    「博士を安易に死なせていないところがよい」

     

     

    エントリーNo.3「全男子の憧れヘルメット」

     

    エントリーNo.3は、さむ氏。じゃん。

     

    世紀末を舞台にした漫画に出てきそうなのが登場。感染症よりも、物理攻撃からフェイスをシールドしている感があるが・・・。

     

     

    さむ氏の最強ポイント

    ・グレートヘルムという、13世紀あたりにヨーロッパで作られていた甲冑

    ・初期はバケツ型の鉄を被るだけだったが、後に改良されて前が開くデザインのものができた

    ・このフェイスシールドも、前方を開けられるように作ってある

    ・「男子が喜びそうな最強」を追求したらこれになった

     

     

    まずプロダクトとしての完成度がやたら高い。顔のフィット具合や、細かなヘリの処理にいたるまで、大変丁寧な仕事で作られている。さらに前方が開閉式になっていることが明かされた時は、参加者から歓声があがった。さむ氏はこれを一晩で作ったらしく、技術力の高さも高評価だった。

    開閉式で飲食も行軍もばっちり
    【参加者のコメント】

    「確かに、全男子が好きそうなデザインだ」

    「体格と相まって、バイオハザードの中ボス感がある」

    「鉄球を使った遠距離攻撃がすごい面倒なやつね」

     

     

    エントリーNo.4「菜々子さんのダンスパーティー」

    エントリーNo.4は米田梅子氏。

     

     

    どこからどうつっこんでいいか分からないが、とりあえず何者かに体を乗っ取られてる感がある。事情を聞いてみよう。

     

     

    米田梅子氏の最強ポイント

    ・”ダンスパーティー専用”フェイスシールド

    ・市販のフェイスシールドは無骨だから、パーティー用のエレガントなものを作った

    ・上の人形の名は菜々子さん

    ・女の子のスカートにもぐってみたい、という願望をかなえた

     

    TPOをわきまえたフェイスシールドという新ジャンルを開拓。菜々子さんのスカート部分は、100均のプラスチックフィルムで作られており、一般的なフェイスシールドをベースにデザインされているようだ。短冊状のレースをぱらりとめくると、顔を出せるように工夫してあるのも素敵だ。

    スカートをめくれば、不敵な笑みを浮かべる女が顔を出す
    【参加者のコメント】

    「人形と本体、どっちに話かければいいのかわからない」

    「60頭身くらいある人形」

    「スカートに入るという発想が良い」

    「まず下の体を弱らせてからじゃないと本体にダメージが通らない敵」

     

    エントリーNo.5 「ママ友会にお呼ばれした中目黒のタワマン主婦」

     

    5人目は、身委ねた氏。じゃん。

     

    人だ!ちゃんとした人が出てきたぞ!捕まえろ!!!!

     

     

    身委ねた氏の最強ポイント

    ・中目黒のタワマンに住んでる主婦をイメージ

    ・今日は幼稚園のママ友会にお呼ばれした

    ・シールド部分はマジックテープで着脱可能。普通のキャップとしても使える

    ・自分にとっての最強とは、ていねいな暮らしになじむ実用性

     

     

    中目黒のタワマンに住む主婦を見たことがないが、「確かにいそう」と感じる謎の説得力がある。奇妙なビジュアルのフェイスシールドが続く中、普通の人、というだけでしっかり個性が際立っているから面白い。

     

    着脱可能なフェイスシールドというアイデアは秀逸で、実用性の高さにみんなで感心した。ちなみに、キャップの「Distance」は自分で書いたらしい。細かなところで器用な主婦である。

    シールド部分を外せば、普通のキャップとして使える。サスティナブル
    見出し【参加者のコメント】

    「ビジュアルは普通でも、しっかり個性が出ているのが良い」

    「着脱可能なの、普通にアイデアとしてよくないか」

    「ただ、ママ友会に“感謝”って書かれたカレー持ってくる人いたら、若干身構えると思う」

     

     

    エントリーNo.5 「サイケデリック・ペスト医師」

    ラストはふ凡社鈴木。どん。

     

    主に笠部分を作るのに、すげー時間がかかった(10時間くらい)。渾身のこだわりを聞いてほしい。

     

    ふ凡社鈴木の最強ポイント

    ・竹笠を改造したフェイスシールド×ペストマスクの2段ガード

    ・ビジュアルの毒々しさで、物理のみならず精神的なディスタンスを確保

    ・お札をつけたのは、そのほうがなんかカッコいいから

    ・「小学生が図工の時間で作った最強」を意識。設定や文化に統一性がないのがポイント

     

    フェイスシールドの元祖ともいえるペストマスクと、和の竹笠を組み合わせた異文化ミックスフェイスシールド。笠単体ではフェイスシールドとして機能しないので、細い木の棒で骨を延長し、その上に色付き下敷きを使ったシールドを取り付けた。

     

    ちなみに、ペストマスクの先端にはハーブ各種が入った袋を入れており、元ネタに施されていたというおまじないを再現している。

     

    飲食はあご下の穴から。ポッキーが主食。

     

    見出し【参加者のコメント】

    「引き算をしない小学生だ」

    「古今東西詰め合わせの妖怪じゃねぇか」

    「夜道であったら子ども泣くと思う」

    「光当たるとステンドグラスみたいになるのがキレイ」

     

     

    宴の時間

     

    ファッションショーが終了したら、楽しいパーティーの始まりだ。おつまみ、飲み物が乗ったテーブルを中心として、円形に椅子を配置。

    秘密結社の会合っぽい

     

     

    飲食物を取りに行くのは、原則一人ずつだ。奇妙なフェイスシールドたちの視線を浴びながらおつまみを粛々と皿に盛るのが楽しい。

     

    一通り飲み食いを楽しんだら、それぞれのマスクの構造を見せ合ったり、写真を撮ったりしながら、久しぶりの再会を喜んだ。

     

     

     

     

     

     

     

    最後は、ベストフェイスシールドの投票会。目をつぶって「自分が一番好きだったシールドに手をあげる」という古典的な選挙を行った。

     

    栄えあるトップは、グレートヘルムを作ってきたさむ氏に。

     

    さむ氏にはアマゾンギフト券を進呈。腕のリーチをフルに使った授賞式を行った。

     

     

     

    参加者全員が、てんでバラバラのコンセプト・デザイン・こだわりのフェイスシールドを持ってきてくれたことに感動した。「最強の」という言葉をつけただけで、フェイスシールドの可能性は無限に広がるのだ。

     

    制限のある日常を、不要不急の工夫で楽しく彩る。そんな心持ちで、引き続きテンション高く生きていきたい。

     

    (ふ凡社最強のフェイスシールド飲み会実行委員会)

     

  • スーパーで見つけた謎食材を食べる Vol.1―高知の巨大植物「はす芋」―

    スーパーで見つけた謎食材を食べる Vol.1―高知の巨大植物「はす芋」―

    日ごろお世話になっているスーパー。スーパーは基本的に、その地域の文化圏にフィットする、親しみある商品が売られている。しかし、たまに見慣れない異文化の商品が紛れていることがある。

     

    最近、「はす芋」という謎の食材をみつけた。この記事は、これまでスルーしてきた謎食材を初めて買って、調べて、調理してみたレポートである。

     

     

    「茎っぽいのに芋」とはこれいかに

     

    カレーの食材を買いにスーパーに行くと、見たことのない野菜が陳列されていた。

     

    何かの植物の茎みたいな。やけに大きくて、インパクトがある。なのに、値段はひとつ98円。安い。

    ぶっとい茎みたいな何か

     

    名前を見れば「はす芋」とある。

     

     

    「芋?このビジュアルで?どこが芋なんだ?ほくほくしてるのか?なんだこれは」

     

     

    気になったが、その日はスルーした。スーパーは基本的に、買いたいものをあらかじめイメージしてから行くとこである。なので、謎の食材を見つけてもスルーしちゃうのだ。謎だから。

     

     

    数日たってまたスーパーに行くと、まだ彼らがいた。

     

     

    「半額になっとる!!しかもほぼ手付かずのまま!!!!」

     

     

    やはりというか、私だけでなく、ほかの人にとっても謎の野菜だったのだろう。しかし、ここまで見事にスルーされていると、逆に気になってくる。

     

    売れ行きからみて、このスーパーで、再びはす芋が入荷されるかどうかはかなり怪しいところだろう。別のスーパーで、売ってるのもみたことがない。かといって、いろんなスーパーをまわって探したり、はす芋が売られている場所を調べてわざわざ買いに行くほどの情熱もない。謎だから。

     

    つまり、この機会を逃すと「はす芋ってなんだったんだろう」と思いながら、何年も過ごすことになる可能性が極めて高い。さくっと謎を解くなら、今しかないのだ。

     

    はす芋を前に、「どうする?アイフル?」状態になること約30秒、私は、2パック買うことにした。

     

     

    はす芋の正体を調べる

     

    家に帰ってまず、はす芋のことについて調べてみた。分かったポイントは、以下の通りである。

    • はす芋は、サトイモ科の植物である
    • 高知県の特産品である
    • サトイモ科だが、食べるのは芋ではなく葉柄(葉と茎の間にある柄部分)
    • 火を通してもシャキシャキしているのが特徴

     

    メジャーな食べ方としては、生のまま和え物にしたり、出汁と一緒に煮たりするらしい。“火を通してもシャキシャキしてる”というのが気になるので、色んなレシピサイトで出てくる「はす芋と油揚げの煮物」を作ってみることにした。

     

     

    みずみずしいシャキシャキには棘がある

    いざ、はす芋を調理していく。

    皮をむく

    はす芋の皮は、先端にちょっと包丁を入れると、そこからさけるチーズみたいな感じで剥くことができる。シュルシュル音を立てながらビーっと一気に剥く感覚、めっちゃ気持ちよい。

    びーって剥ける

    とりあえずそのまま食べてみる

    はす芋は、生でも食べられるらしい。薄切りにして、一切れ食べてみることにした。

    包丁で切ると、「サクッ!」と、これまた小気味よい音がする。断面は、スポンジみたいに細かい穴がたくさん空いた、不思議なビジュアル。

     

    理科の授業、顕微鏡で見せられた葉っぱの断面図がこんな感じだったな。

     

     

    食べてみると、なるほどシャキシャキしている。いや、シャキシャキを通り越してサクサクしてる。植物がここまでクリスピー感を出せるものだろうか。面白。

    味は、瓜に近い。メロンの端っこの、一番味がうすい部分みたいな。とても淡白な味わいである。生だと、正直おいしさがよくわからない。

     

     

    下ごしらえをする

     

    はす芋は一応生でも食べられるが、下処理をしたほうがよさそうだ。

     

    というのも、はす芋には「シュウ酸カルシウム結晶」という成分が含まれていて、この結晶が針のような鋭い形をしているらしい。何も知らずに素手で触りまくったりすると、この細かな針が細胞に刺さりって、ピリピリした痛みを引き起こすことがあるそうだ。怖っ。

    シュウ酸カルシウム結晶の結晶。命を刈りとる形をしている(画像は『シュウ酸カルシウム針状結晶とプロテアーゼの相乗的耐虫効果』より引用)

     

    「生のままで食べる場合は、塩水にさらし、加熱する時は一度茹でると良い」、とのことなので、今回はゆでることにする。

    鍋に入れると、あらためて「ぶっといな」と思う

     

    油揚げとともに煮る

     

    ゆでて水気を絞ったはす芋を、薄切りに。そのまま、油揚げと一緒にだし汁で煮る。

     

    ひと煮立ちしたら、あっという間に完成だ。

     

     

     

    いざ実食。

    完成したものがこちら

    これが、はす芋のスタンダード

     

    いい感じではないか。早速食べてみよう。

     

     

    「あっ、うまい!!!(写真とるの忘れた)」

     

    スポンジ状の空洞のおかげか、はす芋がたっぷり出汁を吸っている。「出汁をたっぷり吸うために、あの形になった」と考えるほうが自然だな、と思うレベルでよく吸っている。噛めば噛むほど、だしがしみだしてくる。美味しい。

     

    確かに、火を通してもなおシャッキシャキだ。煮物なのにシャッキシャキ。今まで味わったことのない不思議な食感。面白い。

     

    はす芋そのものは淡白な味だから、はす芋の味わいを楽しむというよりは、色んな出汁や調味料、食材と組み合わせて食感を楽しむタイプの野菜なのかもしれない。

     

     

    はす芋が何かはよくわかったが・・・

     

    はす芋が何者で、どう調理すればよくて、どんな味わいなのか。すべての疑問が順当に解決した。ありがとうはす芋くん、君が何者はよくわかった。そのうえで問いたい。

     

     

    鈴木「君は、ほかになにか面白いことできないのかね」

     

    はす芋「えっ」

     

     

    はす芋のほかのレシピは、検索するといくつか出てくるが、まず情報の絶対量が他の食材に比べ圧倒的に少ない。加えて、調理方法にそこまでバリエーションがないのだ(和える、煮る、生のまま添えるくらい)。広くメジャーな食材なら、洋風・中華風など国籍をまたいだ調理法も豊富に出てくるが、はす芋についてはゼロ。

     

    はす芋「面白いことといいますと」

     

    鈴木「たとえばほら、洋食になるとか」

     

    はす芋「えっ」

     

     

    どうせ記事にするなら、新しいこともやりたい。ということで、残ったはす芋を使って、ビシソワーズ(冷たいジャガイモのポタージュ)を作ってみることにした。

     

    はす芋、文化を超える

    ビシソワーズの作り方は簡単。

     

     

    1,みじん切りにした玉ねぎと、薄切りにしたジャガイモをバターで炒める

     

    2,水と薄切りにしたはす芋を加えて、ジャガイモが柔らかくなるまで煮る

    うっすら焦げ目がついているのが、はす芋

     

    3,2でできたやつを、フードプロセッサーにかける

     

    4,なめらかになったものを再び鍋にいれ、牛乳と混ぜてひと煮立ちさせる

     

    もはや、はす芋の跡形もない

     

    5,完成したものを、冷蔵庫で冷やせば完成

     

     

    ようは、プレーンなビシソワーズに、はす芋を加えた改良版だ。

     

    そもそも、水分量が多いはす芋を、ミルク系と合わせて大丈夫なのか。はす芋の味わいは淡白である。フードプロセッサーで細かくしたら、アイデンティティであるシャキシャキ食感も消えて、マジで普通のビシソワーズになるだけではないか。

    企画倒れになりそうな予感をビシビシ感じる中、とりあえずビシソワーズが完成した。

     

    完成、実食。意外や意外

     

    完成したビシソワーズがこちら。

     

     

    食材を粗びきにしたので、全体的にとろりとしている。いざ実食。

     

     

     

     

     

    「おぉっ!シャキシャキしてる!!!マジか!!!!」

     

     

    なんと、はす芋は細かくプロセスされてなお、シャキシャキ感を残していた。余ったはす芋を使ったので、ジャガイモと玉ねぎの量に対してその割合は少ないはず。なのに、一口食べるごとにちゃんとシャキシャキするではないか。すげえ!!!

     

     

    そして、味のほうにも、ほんのりではあるが、はす芋のさわやかな風味が残っている。ジャガイモの味とも、けんかしていない(同じイモ科だからだろうか)。普通にしっかりおいしいじゃないか!素晴らしい!!

     

    こうして、はす芋とのエンカウントは成功に終わった。いやあ、面白かった。はす芋、消える前に買ってみてよかった。堪能した。

     

     

    謎の食材を買って、調べて、料理して、食う。日常の延長で、手軽にアクセスできる探求の楽しみを見つけた。また見慣れない食材を見つけたら、記事にしようと思う。

     

    (ふ凡社家庭部)