ふ凡社代表取締役ATM(Amazon Tofu Midnight)の鈴木です。
8月4日、「なんちゃってフェスカラオケ」を開催した。
「自分がアーティストとしてライブするとしたら、MCで何を話して、何を歌おうか」
誰もが(多分)一度は抱いたことがあるであろう妄想を、なんちゃって叶える場として開催を宣言した本イベント。
「MCから始める」という縛りを設けた時点で、この企画に乗ってくれる人はおそらく生まれながらのエンターテイナー。中学高校で学年に一人いるかいないかレベルの逸材だろう。
雨に濡れた石灰紛ほどの拡散力もない私のTwitterアカウントで呼びかけたところで、5人も集まるかどうか……。
そんなテンションで募集をかけたら、まさかの14人もの方からエントリーがあった。大変ビビった。14といったら2で割ると7ではないか。これはとんでもないことだ。
そして、実際に開催してみたら、色んな意味で主催の予想をぶち抜いてくるイベントだった。ところどころ何を言ってるか分かんねぇと思うが、ありのままに起こったレポートをお伝えする。
何も予想できない開催前
まず開催の前日譚から。なんつったって初の試みだから、当日どんなイベントになるか主催の私にすら塵ほども予想がつかなかった。さらに、参加者の方から事前に集めた情報といえば、「歌う曲の候補」だけ。誰がどんなパフォーマンスをするのかなど詳細もまったく分からない。
皆さんに頂いた曲の候補には、もちろん知らない歌がたくさんあったが、ノリとフィーリングだけでセトリを作った。これは、「前の人が〇〇(ジャンル)歌ったから、自分も流れに合わせよう」というカラオケあるあるを払拭するためだ。
歌う順番以外の一切を、参加者に委ねるスタイル。超ゆるふわ実行委員会である。最低限の準備を整え、あとはハクナマタタの境地で当日を迎えた。
フェスカラオケのここが凄い1、開会前の下ごしらえがガチ
そして迎えた当日。まずビビったのは、参加者複数名が、誰に頼まれたわけでもなくサイリウムを持参していたこと。
さらに、参加者全員に簡易サイリウムを配り始める猛者まで現れたことだ。
これによりなぜかサイリウムが全員の手にいきわたり、開会前にオーディエンス側が仕上がった。
このサイリウムが、後のパフォーマンスぶち上げに大きく貢献するのは言うまでもない。
他にも、自分の歌にコールを投げてもらうために歌詞カードを配る人がいたり、マイクスタンドの位置など周辺機材のチェックまで余念がない人がいたりと、事前準備のガチさがすでに主催の予想を上回っていた。
フェスカラオケのここが凄い2、オーディエンスの適応力がガチ
簡単な流れ確認もそこそこに、いざ開演。いよいよパフォーマンスタイムが幕を開ける。
最初は主催の私が先陣切ってトップバッターを務めた。1曲目では
「結成15周年を記念して、デビュー時に使った小さなライブハウスでアニバーサリーライブを行う女性アーティスト」
という設定でMCをやった。いきなり知らないアーティストのコンサートに途中から放り込まれるようなもんだから、参加者の皆さんはきっと反応に困るだろうな、とある程度覚悟をしていたが、驚くべきは皆さんの適応力の高さである。
事前情報を一切持っていないにも関わらず、私がでっち上げた存在しないアーティストの結成当時の思い出話にしっかり相槌を打ち、黄色い声援を送ってくれるのだ。この時点でたいへん心地がよい。
そして、実際のパフォーマンスは
「自分と同じタイミングでデビューして、今も仲良くしている男性アーティストの代表曲」
という設定で「マツケンサンバⅡ」を歌い踊った。
MCのテンションと選曲のギャップでみんなを振り落としてやろう、という趣向だったが、参加者は何のためらいもなく立ち上がり、今度は松平と化した鈴木にサイリウムを振って応えてくれる。なんだ、この情報処理速度と適応力の高さは。ハイスペックノートPCか。ハイスペックノートPCなのか。
フェスカラオケのここが凄い3、キャラの作りこみがガチ
(ここからは、参加者のフォトグラフィーとともにご覧いただきたい)
歓声とともにステージを去り、参加者にバトンタッチする。次に驚いたのはキャラの作りこみ度の高さである。
・バンドメンバーとのできちゃった婚で解散を宣言する女性アーティスト
・始めてフェスに出演した地下アイドル
・108回目のソロコンサートを迎えた演歌歌手
・某ピ〇ーロランドからやってきたダニエル君
などなど、皆さんが普段心の中に飼っているのであろう、やたら設定の細かいアーティストたちが次々登場する。皆さん恥もためらいも一切なく、キャラになりきってパフォーマンスを披露していくもんだから、観客を自分の世界へ引きずり込む吸引力の高さも半端ではなかった。
「MCも入れてやってね!」くらいのゆるふわ呼びかけだったから、皆さんゆうて一般的なコンサートっぽい模範的なMCをやってくださるのだろう、と若干高をくくっていたが、甘かった。
こんな具合で、およそ5時間にわたり才能の塊みたいな人ばかりが登場するもんだから心の底から楽しかった。
こうして第一回なんちゃってフェスカラオケは、パフォーマーも観客も大いに楽しみ、大いに消耗する超ハイテンションイベントのまま幕を閉じた。
フェスカラオケのここが凄い4、そもそも破る殻などなかった
勇気を出して普段日常ではやらないパフォーマンス挑戦し、なにか自分の殻を破るきっかけになればいいな!
的なスタンスで開催してみたら、来た人全員生卵だった。
帰り道、参加者と一緒に「冬の歌縛りの回をやろう」、「メンバーが逮捕されたアーティストの曲縛りもできそうだ」などなど、応用の可能性も飛び出した。
超楽しかったから、夏の陣・冬の陣みたいな感じで定期開催などできればいいなと思う。
(ふ凡社なんちゃってフェスカラオケ実行委員会)
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