いなば食品の社員向けシェアハウスの管理不備についてのニュースが世間を賑わせている。
報道を受け、いなば食品は2024年4月12日に公式HPにて、お詫びと共に詳しい事情を説明するプレスリリースを公開した。ところがこの記事の内容が正直なところ大変分かりにくく、また企業による公式の文書ではあまり見ない語句が使われていることなどもあって、その点を指摘する声も相次いでいる。
報道を受けてから記事の公開までの期間の短さを考えると、対応した現場の混乱っぷりが推し量られる内容だ。
私は普段Web編集者として、毎日のように文章の交通整理を行っている。職業病として、交通整理がなされていない文章を見ると、交通整理をしたくなってくる。
気付けば私はPCを開き、プレスリリースの編集・校正を始めていた。せっかくなので、この場を借りて調整ポイントと、調整後の文章を紹介する。
あくまでプレスリリース内での情報のみを元に書いたので、事実の齟齬などあるかもしれない。「恐らく、いなば食品さんはこういう意図で書いたのではないか」という個人の一解釈程度に読んでいただけると幸いである。
プレスリリース原文については、いなば食品さんのHPをご覧いただきたい。
原文をコピペし、Wordで変更履歴を入れた状態のスクリーンショットがこちら。
これらの調整を反映した最終版が、以下の通りである。
(タイトル)弊社シェアハウスに関する報道について
(本文)
この度は、静岡県由比町にございます弊社シェアハウスに関する報道につきまして、皆さまに多大なるご不便ご心配をおかけし、心よりお詫び申し上げます。報道などでご指摘いただいている管理不備につきまして、現在誠意をもって全力で改修に取り組んでおります。
今回ご指摘いただいたシェアハウス(以下、当該物件)に関して、雨漏りなど管理不備が発生した経緯について、改めてご説明します。
由比町の弊社シェアハウスは計6棟ございます。2024年4月13日現在、うち3棟に5名の一般職社員(転勤のない事務職・工場勤務職)が入居しています。
弊社は2024年3月20日~26日にかけて、当該物件を含め、全てのシェアハウスについて点検・クリーニングを実施・完了しておりました。2024年に新卒で入社した一般職社員も上記物件に入居し、勤務を開始しております。
今回当該物件の管理が行き届いていないまま、社員が入居することになってしまった背景をご説明します。
当該物件は、6棟のうち、唯一新規で借り上げた物件でした。弊社の副社長が2023年10月26日に間質性肺炎の症状悪化で緊急入院し、2024年1月10日に死去しました。故副社長は総務部長として当該物件の管理責任者を担っており、入院期間中に当該物件の管理についての詳細な指示をすることが困難な状況でした。そのため弊社では2024年1月15日付で新総務担当を任命しましたが、引継ぎ対応の兼ね合いで設備の不備について改修・調整が遅れてしまい、当該物件への新入社員の入居日までに対応を完了できませんでした。
当該物件へ入居予定だった一般職の皆さまに対し、十分なご説明を申し上げることができなかったこと、結果として、新卒一般職のうち16名が入社を辞退する形となってしまったこと、心よりお詫び申し上げます。
今回ご指摘いただいた管理不備箇所につきまして、雨漏りは改修手続きを既に開始しています。また畳の交換も2024年4月14日中に完了予定です。
弊社のシェアハウスにつきましては、居住場所として適切な物件を内検の上、手配しております。当該物件につきましては、誠意をもって早急に改修を行ってまいります。
また今後、シェアハウスに入居している弊社社員に対しては、家賃の請求を行わない形を検討・実施する予定です。
恐らくこんなところではないだろうか。自分なりに内容を整理できて、スッキリした。
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