こんにちは、ふ凡社です。
引っ越しで「高額な原状回復費用」を請求されたけど、父が弁護士だったから何とかなった話
という記事を公開した。内容はタイトルの通りなのだが、トラブルの発生から裁判による解決までの経緯を細かく書いてみたら、2万字くらいのクソ長記事になってしまった。さすがに
「日々の暮らしの合間に2万字の記事を読む人間がどこにいるんだ」
という感じなので、忙しい現代人のためのダイジェスト版をお届けする。
超おおざっぱなあらすじ
2023年1月に、7年ちょっと住んだ部屋から引っ越した。
退去にあたって部屋の中で
1、キッチンの床に包丁や食器を落とした時にできた傷が複数箇所ある
2、冷蔵庫置き場の「巾木」が一部破損している
3、「照明のリモコン」を紛失しているので新品を買う必要がある
4、「緊急避難はしご」を破棄したので新品を買う必要がある
5、窓枠、ベランダに汚れが残っている
6、クローゼットの内部が一部剥離している
というトラブルが発生していたので、原状回復にかかる費用をある程度請求される覚悟をしていた。
「契約時に収めた敷金+預け金の合計約10万円で、上手いこと原状回復費用を賄えるといいな」
と思っていたところ、管理会社から逆に10万円の請求が届いた。
賄うどころか、大幅に-である。
しかし、請求された各項目について改めて確認してみると、請求内容に疑問点、不明点が多々あったので、弁護士の父に相談しつつ管理会社と減額の交渉を試みた。
ところが、管理会社が請求内容についての詳細や、こちら負担になることを示す客観的な根拠・証拠を一向に開示しない。双方の言い分は食い違うばかりで、らちが明かない。
ということで、法律家である父のサポートを受けつつ「少額訴訟」での決着をつけることにしたわけだ。
少額訴訟を起こしたところ、管理会社から「少額訴訟から通常訴訟への移行」を求められ、かつ「反訴」までされてしまった。
「通常訴訟への移行からの反訴、先方はよほど勝算があると見えるな」
と戦々恐々とするものの、裁判が始まってからもなぜか管理会社から「施工業者の施工内容や、業者とのやり取り」といった詳細な証拠が提出されることなかった。
結局3回もの口頭弁論を経たのだが、最後の最後まで管理会社から「請求内容の正当性を示す客観的な証拠」が提出されることはなく、証拠不十分のまま和解調停に入った。
結果、
管理会社が私に5万円支払う形で和解が成立した。
-10万円スタートだったのが、5万円の+に転じた決着である。
ちなみに、預け金10万円のなかから差し引かれた5万円のうち、4万円はルームクリーニング費用、残り1万円が私の過失によって発生した支払いという内訳だった。
つまり、管理会社からの請求のほとんどは法的には認められなかった形だ。
実際に裁判をやってみた所感
大まかな顛末は以上の通りである。
ネットで調べると
「引っ越しで高額な原状回復費用を請求されたら、少額訴訟で決着をつけるのもオススメ!」
的な記事はたくさん出てくるし、実際私もやってみたら高額な支払いを回避することができた、が。
実際やってみると決着に半年以上かかる長丁場になったし、いろいろチョー大変だった。
さらに、私の場合は弁護士の父に裁判にあたっての不明点を逐一相談・確認できたからなんとかスムーズに事が運んだものの、
「現実問題、少額訴訟を専門家のサポートなしで自力でやろうと思うと、かなり大変だろうな」
というのが正直な感想だった。
父も「原状回復をめぐるトラブルは、借主側が泣き寝入りすることも非常に多い」と言う。
一方で、裁判を実際にやったことで
「借主側のほうである程度非を認めている場合でも、実際の請求内容と法の判断との間にギャップがあるポイントもかなりあるんだな」
という気づきもあった。
詳細はクソ長い元記事のほうでご確認いただくとして、もし原状回復をめぐるトラブルに巻き込まれた人は、少しでも疑問があるポイントについては恐れず、落ち着いて詳細を確認していくと解決の糸口が見えてくるのではないかと思う。
それでも解決が難しかったら、国民生活センターや弁護士など第三者の専門家の助けを借りつつ、次の一手を考えると良いと思う。
コメントを残す