ごきげんよう、ふ凡社鈴木です。
皆さんおなじみ、グリコの「ポッキーチョコレート」。
突然だが、私は、ここが大好き。
チョコがついてない、持ち手の部分。
持ち手というか、ようは「ポッキーの本体」なんだけど、この部分のシンプルな香ばしさが大好きなのだ。
だから私は、ポッキーチョコレートを食べる時に、持ち手の部分だけ残して、最後にまとめて食べたり
チョコレートを舌で溶かしてから食べたりしてきた。
「なんでグリコはポッキーチョコレートの本体だけ売ってくれないんだろう!ああ、心行くまで本体を食べたい!」
そんな話を友人にすると、必ずと言っていいほどこの言葉が返ってくる。
「いや、それってプリッツじゃん」
あーはいはい、おいでなすったね。
違う違う違う、そうじゃ、そうじゃないの。
友人が言っているのは、同社の別商品「プリッツ<香りロースト>」のこと。
何もついていない、シンプルなプリッツ。確かに、私の願望に最も近い商品といえよう。
しかし。香りローストは、本体にほんのり甘い味がついている。もちろん、香りローストも大変おいしいし、大好きではある。
しかし、私が求めているのは、あくまで「何も“味付け”がされていない本体」。香りロースト氏とは、全くの別物なのだ。
そう必死に訴えると、友人たちはたいてい、「そっか!」とぎこちない微笑みを残して、話題を変える。
待てど暮らせど、グリコ社から「ポッキーチョコレート~チョコレートないedition~」が発売される気配もない。
なので、もう自分で作っちゃうことにした。
ポッキーチョコレートの本体だけを集めた、夢のような一袋を。
大量のポッキーを効率的に本体だけにするには
用意したのは、ポッキーチョコレート3箱。これをすべて使う。たくさん食べたいから。
ポッキーチョコレートは、ひと箱2袋入りで、1袋には17本のポッキーが入っている。つまり3箱分で、17×2×3=102本。これをすべて本体だけにするためには、どうすればよいか。
少年時代の私なら、「1本1本チョコレートを舐めて、本体だけを集める」方法しか思い浮かばなかっただろう。しかし、私はもう良い大人。チョコと本体を効率的に分離する良い方法を思いついた。
それがこちら、どん。
そう、牛乳を温めて、チョコだけ溶かすのだ。
こうすれば、大量のポッキーチョコレートを一気に本体だけにできる算段だ。しかも、副産物としておいしいチョコレートミルクができるに違いない。さっすが成人男性。頭いい!
牛乳でチョコを溶かしてみるが・・・
早速トライ。まずは牛乳を鍋にかけて温めて、
ポッキーが浸るくらいの高さがある、保温タンブラーに移しかえる。
1発目は様子見で、チョコレートポッキーを3本投入してみた。
しばらくかき混ぜてから取り出してみると、いい感じにチョコレートが溶けてきている。この調子でさらにかき混ぜていく。
しかし、ここで一つ想定外のことが起きた。かき混ぜるだけだと、チョコレートが完全に溶け切らないのだ。正確には、完全に溶け切る前に、ポッキー本体が牛乳を吸ってふにゃふにゃになってしまう。
ポッキーをすべて牛乳に放り込んで、一気にチョコだけ溶かすのは難しそうだ。さてどうしたもんか。
新製法の誕生
次に試したのは、2本投入して、ある程度チョコが溶けたら、互いにこすり合わせて、残りのチョコをはがしていく作戦。
おお!ちゃんとポッキーの本体が見えてきた!
このやり方だと、本体がふにゃふにゃになる前に、チョコをきれいに落とすことができる。あとは、キッチンペーパーでさっと本体を拭けば
完成。見事、ポッキーチョコレートの本体だけ取り出すことができた。
このやり方がよさそうだ。私はこれを、「二刀流こすり合わ製法」と名付けた。
ひたすら地道にこすり合わせる
あとは、この製法でどんどんポッキーチョコレートの本体を量産していくだけ。しっかし、これがなかなかしんどかった。
1回につき2本ずつしか作れないから、102本のチョコを溶かすためには、単純に51回この作業を繰り返す必要がある。それだけでけっこう時間がかかる。
加えて、ミルクは時間が経つごとに冷めていくので、定期的に温めなおさなくてはいけない。
さらに、回を重ねるごとに、ミルクに溶けたチョコレートの濃度がどんどん濃くなっていくので、次第にチョコがはがれにくくなってくる。何回か、新しい牛乳に取り換える必要もあった。
この一連の作業を、黙々と繰り返していると、だんだん京都の指物職人みたいな気分になってくる。
チョコレートポッキーを磨き続けること、約3時間。ようやく、3箱分のポッキー本体ができた。
そのまま食べまくりたいところだが、取り出した本体は、牛乳を吸ってしっとりしている。クリスピーな食感を楽しむためには、一旦乾燥させる必要がありそうだ。
大量の本体をやぐら状に積み上げ、寝かせることにした。
夢にまで見た光景を再現する
一晩ののち、全てのポッキーがしっかり乾いているのを確認。ポッキーの本体を袋に詰めなおして、いよいよ、計画も大詰め。やりたかったことをやる。
いつものポッキーチョコレート。
袋をあけると、私が大好きな持ち手がずらり。ここまではいつも通り。
しかし、1本取り出すと・・・あれっ!チョコがついていない!なんで???
ちょっとまって、あれ!?あれあれ!?
これって、ひょっとして…
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
全部チョコがついてないいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
YEAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
これだ。この景色を見たかったのだ。1本、1本、また1本。食べても食べても、本体だけ。ああおいしい。ああ素敵。
こうして、私は、25年来の夢を叶えた。幸せが歩いてこないなら、自分で歩いて掴みにいけばよいのだ。
明日から、また別の夢に向けて、新たな1歩を踏み出せそうだ。
-編集後記-
副産物として、鍋1杯分のチョコレートミルクができた。102本分のチョコが入った、濃くて甘―い味わい。こちらも大変美味で、なんだかとても得した気持ちになった。
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